運動会は、誰が決めている?|国は「目的」だけ、曲とダンスは学年の先生、組体操は「見合わせて」
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この記事で分かること
- 国の学習指導要領に書いてあるのは運動会の「目的」だけで、種目や曲の決まりはない
- 計画は体育主任、ダンスの曲や振り付けは学年の先生が決めることが多い
- 組体操についての国の通知は「禁止」ではなく、安全にできないなら「見合わせて」だった
運動会のダンスの曲や、組体操をやるかどうか、プログラムの順番。こうしたことは、誰が決めているのでしょうか。国が全国の学校に「この曲で踊りましょう」と決めているわけではありません。調べてみると、国が書いているのは「何のためにやるか」という目的だけで、中身のほとんどは学校の先生たちが決めていました。国、学校、学年の先生が、それぞれ何を決めているのかを、順番に見ていきます。
とむきゃっとのひとこと:先生方が決めているの?
打合せはあると思うけど、センスを問われる。先生大変💦
ここがポイント3つ
1. 国が書いているのは「目的」だけ
運動会は、体育の授業ではなく「学校行事」の1つです。文部科学省の学習指導要領には、こうした行事の目的として、「安全な行動や規律ある集団行動の体得」「責任感や連帯感の涵養(かんよう)」「体力の向上」などが書かれています。速く走ることだけでなく、みんなで動くことや、仲間とつながることも目的に入っているのです。一方で、どんな種目をやるか、どの曲を流すかは書かれていません。名古屋大学の内田良さんも、運動会の種目には具体的な決まりがなく、学校にまかされていると書いています。
とむきゃっとのひとこと:何年生になったらコレ!みたいなのは、学校の伝統的な物もあるのかな?
保護者にヒアリングとかしてるのかも?
PTAとか。
2. 曲やダンスを決めるのは、その学年の先生
運動会全体の計画をまとめるのは、学校の「体育主任」の先生です。小学校の先生への取材記事によると、体育主任は、ねらいやプログラムの案などを「運動会基本計画案」にまとめ、職員会議に出します。そのうえで、ダンスの曲や振り付けは、それぞれの学年の先生が決めることが多いそうです。ある先生の話では、職員室に「ダンスで使いたい曲」を書きこむ表がはられ、学年どうしで曲がかぶらないように決めていくといいます。選ぶときの目安は、「子どもも保護者も知っている流行りの曲」だそうです。
とむきゃっとのひとこと:なるほど、、、
流行りの曲が多いと思ってたけど、そういう目安なのね。
振り付けも先生とか、かなりしんどそう💦
3. 国が注意したのは組体操。それも「禁止」ではなかった
中身を学校にまかせている国が、はっきり注意を出した数少ない例が組体操です。2016年3月、スポーツ庁は全国の教育委員会に通知を出しました。高い位置にのぼる技などは、確実に安全にできるかを確かめ、できないと判断したら「実施を見合わせること」としたのです。ただし、全面的に禁止したわけではなく、やるかどうかは学校などの判断にまかされました。
とむきゃっとのひとこと:結構危険ですよね、、、
怪我してからでは遅いもんね。
深掘り:学校まかせの運動会、どう決まっていく?
学年でダンスがちがうのは、学習指導要領から
曲は先生が選びますが、ダンスの中身には国の手がかりがあります。小学校の体育の「表現運動」は、学年によって内容が分かれているのです。奈良県教育委員会の資料によると、1・2年生は動物や乗り物になりきる「表現リズム遊び」、3・4年生は「表現」と「リズムダンス」、5・6年生は「表現」と「フォークダンス」です。低学年が動物になりきって踊り、高学年がフォークダンスをするのは、この分け方とつながっています。
とむきゃっとのひとこと:1年生が動物になりきって踊るのに、ちゃんと理由があったとは!
組体操は、通知のあとどう変わった?
通知のあとの動きは、地域によってちがいます。大阪市教育委員会は、段数を下げても骨折が続いたことから、2016年度からピラミッドとタワーをやめると決めました。千葉県柏市は、市の小中学校で組体操そのものをやめたといわれます。けがの数も変わりました。内田良さんの記事などによると、組体操のけがは毎年8,000件台でしたが、通知の次の年度には5,000件台に減ったそうです。
とむきゃっとのひとこと:下にいる人、絶対痛いでしょ。
上にいる人は、凄く怖い(。ŏ﹏ŏ)
それでも、組体操が全部なくなったわけではありません。東京都豊島区の2025年12月の資料には、2025年度も組体操をした学校があったことが書かれています。区は2026年度の初めに、ピラミッドとタワーを「原則禁止」とする通知を出す予定だとしていました。「組体操はいつなくなったの?」に一言で答えられないのは、決めているのが国ではなく、地域や学校だからです。
とむきゃっとのひとこと:一体感、ボリューム的にもいいもんね。
見る方からすると「おおっ!凄い!」ってなるから、「うちは、やります」があっても不思議じゃないよね。
運動会で曲を流すのに、許可はいる?
学校で市販のCDを流すとき、JASRACなどへの手続きはいるのでしょうか。著作権法38条では、「お金をもうけない」「見る人からお金をとらない」「演奏する人にお金を払わない」の3つがそろえば、許可なく曲を流したり演奏したりできます。学研の先生向けの資料と三重県の資料によると、学校の運動会はこれに当たるので、流すだけなら手続きはいらないそうです。
とむきゃっとのひとこと:手間が省けて、それはいいよね。
ただし、運動会の様子を録音してCDやDVDにして配るときは、JASRACへの申し込みがいると三重県の資料にあります。また、動画をインターネットに上げるのは「その場で流す」のとは別の話で、学研の資料は、市販の曲が入った動画は避けるようにすすめています。とむきゃっとは法律の専門家ではないので、くわしいことは学校や専門の窓口に確かめてください。
とむきゃっとのひとこと:インターネットに公開はやめてとか、個人情報の観点からかと思ってたけど、この話も絡みそう。
ひとことで言うと
国が決めているのは運動会の「目的」だけ。計画は体育主任、曲やダンスは学年の先生が決めることが多く、ダンスの中身は学習指導要領の学年ごとの分け方につながっています。国が注意を出した組体操も「禁止」ではなく「見合わせて」でした。だから運動会は、学校ごとにちがうのです。
明日の雑談で使うなら
「運動会のダンスや曲って、国じゃなくて学年の先生が決めることが多いんだって」
とむきゃっとのひとこと:流行りを取り入れているらしいぞ!
とむきゃっとの気づき
県の教育委員会の要綱で指示が細かく出ているのかと思ったけど、先生達の裁量が凄く多いんだね。
年度末の異動で、伝統を守ることと、良い所を取り入れる事がしっかり混ざり合ってるんだろうな。
先生方、いつもありがとうございます!!!
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この記事は次のページで確かめて書いています(2026年10月4日 時点)。
- 文部科学省「中学校学習指導要領 第5章 特別活動」
- 栃木県(健康安全・体育的行事の資料)
- PRESIDENT Online(内田良、2025年10月11日)
- 東京都豊島区 指導課(2025年12月)
- All About(体育主任の仕事、2024年10月1日)
- All About(現役の小学校教員への取材、2025年9月29日)
- 小学校の先生のnote(運動会のBGM、2024年5月29日)
- 奈良県教育委員会 保健体育課(表現運動の資料)
- 四日市市教育委員会(組体操等による事故の防止、2016年)
- 現代ビジネス(内田良、2019年1月)
- Wikipedia「組体操」
- 大阪市教育委員会(議案、2016年4月26日)
- 弁護士ドットコムニュース(2016年2月17日)
- ママリ(柏市の組体操)
- 学研『体育・保健体育ジャーナル』30号(2025年11月)
- 三重とこわか国体・大会 実行委員会事務局(著作権の資料)